2026.08.25

グロース市場「100億円の壁」到来。
上場準備企業にとってのM&Aという選択肢

株式会社Space R代表取締役・赤間健太のポートレート写真

株式会社Space R代表取締役の赤間健太です。今回は、東証グロース市場の上場維持基準見直しと、それを踏まえた上場準備企業の選択肢についてお話しします。

2030年、基準は「40億円・10年」から「100億円・5年」へ

現行のグロース市場の上場維持基準では、時価総額40億円以上を上場から10年経過後に達成すればよいとされています。しかし2030年3月1日からは、これが「上場5年経過後に時価総額100億円以上」へと見直されます。求められる時価総額は2倍以上になり、猶予期間は半分に短縮されるということです。

これから上場を目指す企業にとっては、上場すること自体がゴールではなく、その後の基準を維持し続けられるかどうかまで見据えた資本政策が必要になります。

単独上場にこだわらない、という選択肢

この局面で私が有効な手段の一つだと考えているのが、既に上場している企業との経営統合によるM&Aです。「買収される」という後ろ向きな話ではなく、統合先の株主構成次第では、創業株主が実質的な経営権とまとまった持株比率を維持したまま、上場企業としての資本市場アクセスを得ることができます。

実際の支援事例

今年4月、私がアドバイザリーを務めた案件では、上場準備を進めていたある企業が、株式交換によって既上場企業の傘下に入りました。相手先はオーナー企業ではなく筆頭株主の持株比率も10%程度にとどまっていたため、バリュエーションを維持した形での統合を実現し、創業社長は統合後も40%程度の株式比率を維持しています。単独上場という一つの道にこだわらず、資本市場へのアクセスと経営の実質的な継続性を両立させた事例だと考えています。

※守秘義務の観点から、対象企業名は伏せています。

「100億円の壁」を前に、上場準備企業には今、選択肢を広げて検討する価値があります。株式会社Space Rでは、こうした資本政策・M&Aに関わる意思決定を、実務の立場から支援しています。