2026.08.26
通信制高校29万人時代。
フリースクールとの連携が生む新しい学びの選択肢
出典:文部科学省「学校基本調査」を基にリクルート進学総研が集計した数値より作成
株式会社Space R代表取締役の赤間健太です。以前のコラムで不登校児童生徒数の増加について触れましたが、今回はその受け皿としても存在感を増している「通信制高校」の動向についてお話しします。
全日制・定時制が減るなか、通信制課程だけが伸びている
高校生全体の数は、少子化を背景にこの10年で約12%減少しています。ところが通信制課程に通う生徒数は、2015年度の18万393人から2024年度には29万87人へと約1.6倍(60.8%増)に増加し、今や高校生の約10人に1人が通信制課程に在籍しています。学校数で見ても、全日制・定時制の高校が10年で148校減少する一方、通信制課程を設置する高校は72校増加しました。
「進路の受け皿」から「選ばれる進路」へ
変化しているのは在籍者数だけではありません。通信制課程卒業後の大学進学率は2015年度の13.5%から2024年度には21.2%まで上昇し、進学者数は約2.6倍になりました。通信制大学への進学者数も同じ期間で332人から2,567人へと増加しています。かつては「学び直しの場」というイメージが強かった通信制課程が、多様な進路につながる一つの正規ルートとして選ばれるようになってきていると言えます。
フリースクールとの連携という選択肢
この流れの中で私が注目しているのが、フリースクールと通信制高校の連携です。小中学生の時期にフリースクールで自分のペースに合った学びを経験した生徒が、そのまま連携先の通信制高校へ進学することで、学びの継続性を保ちながら多様な進路を実現できるモデルが広がりつつあります。フリースクール単体では中学卒業までの支援にとどまりがちですが、通信制高校と連携することで、小中高を通じた一貫した支援体制を提供できるようになります。
私自身、フリースクールを運営する事業者と通信制高校を運営する事業者の双方の経営支援に携わる中で、こうした連携が単なる理念的な取り組みではなく、事業としての持続可能性を高める現実的な選択肢になり得ると感じています。複数の事業・複数拠点を運営する上での財務基盤やオペレーション設計は、まさにSpace Rが実務として支援している領域です。
子どもたちの学びの選択肢が広がる一方で、それを支える事業者側の経営基盤づくりにも、引き続き実務の立場から関わっていきたいと考えています。